行政書士ができること
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け、報酬を得て、以下の業務を行うことができます。とくに平成14年7月1日以降新たに認められた代理権によって、申請窓口での書類訂正や、依頼人を代理しての契約書作成など、従来の書類作成代行業務に加えて、さらに幅広いサービスを提供できるようになりました。
行政書士業務の三つの柱
1) 「官公署に提出する書類」の作成についての相談業務、作成代行、提出手続き代理
国や県、市町村の役所に提出する書類の作成は、日常生活ではあまり縁のないものです。とくに、複雑な許認可申請の場合は、申請用紙の取得から記入方法の確認、添付書類の用意など、準備に手間と時間がかかります。慣れない書類作成に時間と労力を費やしたあげく、申請書類の不備により申請却下などということになっては、せっかくの努力が水の泡になるばかりか、ビジネスの存続が危ぶまれる事態さえ生じます。
行政書士は、申請書類作成に関する依頼者のご相談にお答えし、申請基準を満たしているかどうかの検討から申請書類の作成代行および提出代理にいたるまでの各種サービスを依頼者にご提供し、依頼者の悩みの解決や目的達成のお手伝いをすることができます。
2) 「権利義務に関する書類の作成」についての相談業務、作成代行、作成代理
「権利義務に関する書類」として代表的なものは契約書ですが、いざ作成するとなると、何を、どういう書式で書けばよいのか、依頼者にとっては頭の痛い問題です。せっかく作成した契約書であっても、契約当事者の意図していた目的が達成できない内容であれば、権利も保護されず、相手方の義務の履行も主張できなくなってしまいます。
行政書士は、依頼者の代理人として、契約書などの権利義務に関する書類を作成することができます。これにより、依頼者は、文書に記録しておきたい権利義務の内容を行政書士に明示するだけで、煩雑な文書作成作業から解放されます。
◆「権利義務に関する書類」とは・・・・・・
権利義務の発生、存続、変更、消滅等の意思表示を内容とする書類。具体的には、遺産分割協議書、各種契約書、念書、示談書、協議書、内容証明、告訴状、告発状、嘆願書、請願書、陳情書、上申書、始末書、定款等があげられます。
3) 「事実証明に関する書類」についての相談業務、作成代行、作成代理
各種議事録や会計帳簿の作成、その他各種連絡文書の作成は、簡易なものであっても作業には意外と時間がとられるものです。
行政書士は、社会生活にかかわる事実を書面化した書類の作成について、相談、作成代行、作成代理を行うことができます。これにより、依頼者は、社内の事務作業の負担を軽減し、営業活動に集中することができます。
◆「事実証明に関する書類」とは・・・・・・
実社会生活にかかわる交渉を有する事項を証明するに足る書類をいいます。具体的には、実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)、各種議事録、会計帳簿、事故発生状況報告書、遺言書原案、財産目録、申述書等があげられます。
※但し、下記の業務のほか、他の法律において制限されているものについては、業務を行うことはできません。
1.税務代理、税務書類の作成、税務相談→税理士業務(一部税を除き、税理士の独占業務)
2.登記又は供託に関する手続の代理→司法書士業務
3.労働社会保険に関する書類の作成、相談→社会保険労務士業務
4.特許・実用新案・意匠・商標等に関する手続の代理→弁理士業務
5.紛争性(事件性)のある事案についての法律事務→弁護士業務
ポイント! 仲裁、調停、あっせんなどの裁判外の紛争解決手続きについての代理事務は、行政書士も行うことができます。